※これは擬人化ではなく、原型です。 後この物語は、何話か続くと思います。 第1話<星の浮かぶ夜は>
此処は、僕等の御主人様、所謂トレーナーが訪れていたと言う、とある草原の丘。 僕の名は『エンペルト』。 見た目は皇帝をイメージした、ペンギンみたいなポケモンで、ポッチャマの進化系。 まぁ、僕から言えば子供時代かな。 「・・・綺麗だなぁ、今日の夜空も。」 僕はそんな事を呟きながら、無数の星を見つめていた。 「・・・あっ、そうだ・・・」 ふと、僕は何かに気付いて、其処に視線を向ける。 視線に映った者は、何時の間にか持って来ていた、かき氷。それも、蒼い色のシロップが付いてる。 「・・・久しぶりだな、かき氷食べるの」 僕はカップに付いてるスプーンでかき氷を食べながら、また星空を見上げていた。 そんな時だった。 「・・・何だ。まだ起きてたのか。好い加減寝てるかと思ったぜ」 そう言いながら近寄ってくる影は、オレンジ色の、二本足で立つ海イタチ。 「・・・?フローゼルじゃないか。もう寝てるかと思ったよ」 「その言い方はねぇだろ。俺だってたまには起きてぇんだよ」 そう言うと、彼は僕の隣に座る。 「・・・何だよ。」 「別に。」 フローゼルが不機嫌そうな表情をして来たので、僕は相変わらずの態度で応答する。 そして、暫くの沈黙が広がった。 ・・・ふと、フローゼルがその雰囲気を吹っ飛ばす様に僕に呟く。
「?」
ふと彼が言った言葉。僕は戸惑いを覚える。今まで強気だった君が、そんな事言うなんて。 「・・・何言ってるのさ。当然だよ。僕はそんな真似はしない」 僕は当然のように答える。 「・・・。・・・正直言うと、僕も君に消えてもらいたくないかな」 僕も、正直な気持ちを言う。表情は、寂しそうだけどね。 「・・・俺だってな、御前に消えてもらいたくねぇよ」 「・・・フフ。・・・此方こそ有難う。嬉しいよ」 僕も正直、笑顔になる。 「フ・・・フン!!有難く思えよ!!!」 フローゼルは強がったまま、顔の向きを戻そうとはしなかった。 ・・・そんな僕等の様子を、後ろの草むらから覗いてる三つの影があった。
「嫉妬しとるんか?」 「別に。羨ましい思うとっただけやで」 「何だかんだで似たもの同士なのよね。意外に気が合うかも」 そんな事を呟く、彼等であった。 果たして、この三つの影は・・・?
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